「織る」技法で生ま
Woven Ceramic Echizenは、福井の伝統を活かしながら、現代建築に新しい価値をもたらす外装材です。越前瓦の持つ重厚感と織物のような繊細なデザインを融合し、まるで布を編み込んだかのようなやわらかな印象の壁面を演出します。
見た目の美しさはもちろん、耐久性や防水性にも優れており、寒冷地でも安心してご使用いただける仕様です。素材のもつ自然な風合いや、光の当たり方によって変化する表情も魅力のひとつ。
私たち職人が丁寧に一枚一枚仕上げることで、世界に一つだけの外観を形にします。歴史ある技術とモダンなデザインを兼ね備えた「瓦で織る壁」、その魅力をぜひ実際に感じてみてください。
越前瓦を「織る」ように並べることで、これまでの瓦とは一線を画す、やわらかな印象と上品な立体感を実現しました。瓦一枚一枚が生む陰影が、空間に優しい表情と奥行きを与えます。建築素材としての重厚さを残しながらも、しなやかな印象を与えるデザインは、住宅や店舗など多様な空間にフィット。見る角度や光の当たり方によって表情が変わるのも、この「織る」技法の魅力のひとつです。
越前瓦特有の「銀鼠(ぎんねず)」は、いぶし銀のような深くやわらかな輝きを持つ独自の色。見るたびに異なるニュアンスを見せるその表情は、自然光や照明の影響で絶妙に変化します。派手さはなくとも、落ち着きと気品を感じさせる銀鼠色は、建物全体を引き締め、静かに存在感を放ちます。時を重ねるごとに味わいが増していくのも、天然素材ならではの魅力です。
越前瓦を格子状に配することで、日本建築に根ざした整然とした美しさと、現代的なデザイン性を併せ持つアートのような外観に仕上がります。瓦の立体感が光と影を生み出し、リズミカルな表情を空間に添えます。伝統的な素材ながらも、新しい見せ方で建物全体に洗練された印象をプラス。重厚さと軽やかさが共存する独特の意匠が、多くの建築関係者に選ばれています。
「Woven Ceramic Echizen」は、大きな壁面だけでなく、玄関まわりや中庭、坪庭など限られた空間でも存在感を発揮します。上質な越前瓦を用いた装飾は、空間全体の印象を引き締め、品のある落ち着いた雰囲気に。職人の手による繊細な仕上げが、高級感と特別感を演出します。和の趣を大切にしつつ、モダンな建築にも自然に馴染むため、幅広い設計に対応可能です。
四季折々の豊かな自然に囲まれた福井県は、古くから伝統文化と職人の技が息づく「ものづくりのまち」として知られています。越前焼や越前和紙などの伝統産業に加え、現代では繊維や精密機械など多彩な分野でも高い技術力を誇ります。自然と共に歩み、受け継がれてきた職人の精神が、今もなお福井のものづくりを支えています。
越前瓦は、福井県が誇る伝統建材。焼き締められた瓦は耐久性・耐水性に優れ、積雪地帯でも安心して使用できます。滑りにくい表面と、時間とともに深みを増す銀鼠(ぎんねず)色が特長で、落ち着いた美しさと機能性を両立。自然素材の風合いと職人の手仕事によって生まれる味わいが、現代建築にも豊かな表情を添えます。
かつて絹織物の生産地として栄えた福井では、今も繊維の技術革新が止まりません。伝統の「羽二重」から派生した技術は、やがてスポーツ・医療・宇宙開発など多様な分野へと進化。軽さ、強さ、美しさを兼ね備えた福井の繊維は、人工衛星の素材としても活躍しています。伝統と最先端が融合するその姿は、まさに福井のものづくり精神の象徴です。
本体サイズ | 60 × 293 × 20 (±3㎜) |
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設計価格 | 2400円/枚 |
色 | 銀鼠・窯変 |
材料 | 不燃材料 不燃認定番号: 建設省告示第1400号 (最終改正 国土交通省告示第1178号) |
販売エリア | 全国(1200℃前後の高温還元焼成により吸水率が低いため、寒冷地でも使用可) |
項目 | 越前瓦 | JIS規格 |
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曲げ破壊荷重 | 2.7kN以上 | 1.5kN以上 |
吸水率 | 5%以下 | 12%以下 |
凍害試験 | -20℃~20℃ 10回以上繰り返し以上なし |
試験方法 JIS A5208 |
特許番号:特許第6810942号
発明の名称:壁面構造及びそれに用いる壁面用装飾体
登録日:令和2年12月16日
ウーブンセラミック越前は4社のコラボレーションで実現しました。
小笠原 弘
建築家
吉田 知志
代表取締役社長
藤原 綱蔵
専務理事
石山 享史
代表取締役社長
小笠原「福井駅から徒歩5分ほどの中心市街地で、『やすぎ家』という焼鳥屋の店舗設計を請け負った時、外装に県産材を使いたいという話が出たんです。県産材というとだいたいが木材。木材は壁面のような風雨に晒される場所に使う場合、軒を出さないとすぐに痛んでしまう。だけど、ビルが立ち並ぶ駅前は軒を出せるようなスペースはないわけです。それに、杉とかなんかは他県でもよく使っているもので目新しさがなかった。それで、いろいろな案を考えるうち、僕の実家が松岡でテーラーを営んでいたんですが、まわりにはたくさんの機場(機織りをする場所)があったことを思い出したんです。機場で作られる織物、その織り目を表現したいと考えた時、越前瓦のアーチがちょうどいいと思いついたんです。 」
吉田「僕は小笠原さんの後輩で、たまたま瓦屋根を取り扱っていたので、そのアイデアを思いつかれた直後に相談をもらったんです。小笠原さんのデザインされたものは、瓦のアーチを交互に組んでいて、ちょうど平織りの織物のようになっていて。これはアートだなと思いましたね。ただ、こんなデザインの瓦を壁面に使うということは初めてでしたから、組合の藤原さんに相談に行きました。」
藤原「もう、やっかいな相談がきたなぁ~って思いましたよ(笑)だけど、同時に、これはできるかもな、おもしろいなという確信もありました。というのも、形が屋根瓦の基本である和型を使っていましたから。僕が形を作る役目として相談を受けてから、厚さや細さなどを考えながら2~30 個ほど型を作って試行錯誤はしましたね。」
石山「藤原さんが作った型を使って、うちの工場で瓦を実際に焼いていきます。組合で試作してから2~3 ヶ月はかかりました。越前瓦は1,200 度以上の高温で焼くので、県内の土を採取して耐火度のある瓦用のものにブレンドして粘土の素材をつくっています。結構重いので、壁面用に軽量化するための工夫も大変でしたね。」
小笠原「越前瓦って、色も形もとてもシンプルなんですよ。だから、和風建築はもちろん、洋風にも合う。壁面に使うことで、どんなものにでも馴染みながら、インパクトを残せる機能的で個性ある素材だと思います。 」
石山「越前瓦の銀鼠という特徴的な色は、高温で焼きますから、どうしても寸法や色合いにちょっとした差が出る。だけど、広い壁面を覆っても、焼きムラがかえって絶妙な風合いを生んでいい味に仕上がるところは魅力ですね。」
吉田「ちょっとした差があっても利用できるという意味では、生産ロスも少なくて済みます。それに、越前瓦は割れない限りは再利用ができるので、エコロジーでもありますね。まだまだ効率化については改善の余地がありますが。」
藤原「壁にも使えるんだから、庭の地中に埋めて表情を出すのもおもしろいと思う。それこそ、壁から床までつながって模様が出せたらかっこいいね。軽量化や効率化とか、もう少し課題を解決していけば、かなり広い範囲で使えるものになるから楽しみやね。」
小笠原「小さな店舗の外装から始まった越前瓦の新しい使い方ですが、規模を大きくしていって、最終的にはサンドーム福井のような大きな建物をすっぽり瓦で覆ってみたいですね。近くで見れば瓦のアーチがおもしろいし、規模が大きくなれば違う質感が出る。例えば、福井の街のストリートなどの壁面に使えば、織物のように大きくゆるくうねるような表面も生み出せます。瓦という硬い質感から織物というやわらかさを感じるおもしろい体験ができるんじゃないかな。」
吉田「越前瓦としては本当に新しい市場の開拓になるので、さらに研究を進めて、他の福井の産業とコラボしながら、見たことのないものを作ってみたいです。再利用できますから、仮設などに利用してもらうっていうのもアリですね。」
藤原「最近では、福井でも瓦葺きの家が少なくなってきました。また、瓦を作る職人も減ってきています。今回のような新しい使い方が、若い世代にもしっかり伝わって、越前瓦の技術が伝統として継承されていくことを期待しています。」
石山「やっぱりここまできたら世界進出したいですね(笑)」
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