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瓦屋根の耐震耐風性を高めるビス止め工法と軽量化の秘密

瓦屋根の耐震耐風性を高めるビス止め工法と軽量化の秘密

日本の伝統的な美しさを持ちながら、現代の厳しい自然環境にも対応できる瓦屋根は、多くの住まいに安心感をもたらしています。
しかし、台風や地震といった自然災害への不安、建物の耐久性やメンテナンスへの関心は、住まいを長く大切にしたいと願う方々にとって、常に付きまとう課題と言えるでしょう。
特に屋根の固定方法に注目が集まる中、最新の技術がもたらす効果や、その耐久性、そして建物全体への影響について、より深く理解したいというニーズが高まっています。

縦桟ビス止め工法が瓦屋根の耐震・耐風性を向上させる仕組み

地震時の瓦のズレや落下を効果的に防ぐ

地震発生時の激しい揺れは、屋根材に大きな負担を与え、瓦のズレや剥がれ、さらには落下といった被害を引き起こす可能性があります。
縦桟ビス止め工法では、瓦を屋根下地に取り付けられた縦桟に直接ビスで固定しますが、この際、瓦の形状や構造に合わせてビスを打ち込む位置や角度を最適化することで、瓦が水平方向への滑りや、めくれ上がる動きを物理的に抑制します。
縦桟が瓦の動きをしっかりと受け止め、ビスがその力を屋根下地へと確実に伝達する構造により、一枚一枚の瓦が独立して暴れることを防ぎ、屋根面全体として一体感のある強固な固定状態を維持します。
これにより、地震のエネルギーが分散され、瓦のズレや脱落といった被害リスクを大幅に低減することが可能となります。

強風による瓦の剥がれや飛散リスクを低減する

近年増加傾向にある局所的な強風や、台風による長時間の強風圧は、瓦屋根にとって深刻な脅威となります。
特に、瓦の端部や軒先、棟部分などは風の影響を受けやすく、浮き上がりや剥がれが発生しやすい箇所です。
縦桟ビス止め工法においては、瓦を縦桟にビスで直接、かつ縦方向に固定するため、風によって瓦が持ち上げられようとする力や、吹き飛ばされようとする力に対して、非常に強い抵抗力を発揮します。
縦桟が瓦からの風圧を屋根下地まで効率的に伝達し、ビスがこの荷重をしっかりと支えることで、瓦が剥がれたり、強風で遠くまで飛散したりするリスクを格段に低減します。
この工法は、瓦屋根における耐風性能を飛躍的に向上させるための有効な手段と言えるでしょう。

従来の固定方法と比較してより強固な固定を実現する

従来、瓦屋根の固定には、土葺き工法や、漆喰、一部の釘やビスを用いた方法などが採用されてきました。
これらの工法も長年の実績がありますが、特に大地震や強風といった極端な外力に対しては、固定部の緩みや、土・漆喰の劣化による強度低下といった課題が指摘されることもあります。
縦桟ビス止め工法は、金属製のビスを主たる締結部材として使用し、瓦と縦桟、さらに縦桟と屋根下地を多点で強固に連結します。
これにより、瓦にかかるあらゆる方向からの外力に対して、より均一かつ高い強度で抵抗することが可能となり、従来の固定方法と比較して、屋根全体の耐久性と信頼性を大きく向上させることができます。

縦桟ビス止め工法は瓦屋根の軽量化にどう貢献するか?

屋根材自体の重量が軽減される

瓦屋根と聞くと、その重厚感から「屋根全体が重い」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
伝統的な土葺き工法などでは、瓦を固定するために大量の土や漆喰が使用されており、これが屋根の総重量を増加させる一因となっていました。
縦桟ビス止め工法は、これらの土や漆喰の使用量を大幅に削減、あるいは使用しない工法も存在します。
瓦本体の重量に加え、固定材としての土や漆喰の重量も加算されなかったり、削減されたりすることによって、瓦屋根でありながらも、従来工法に比べて屋根全体の重量を相対的に軽減することが可能になります。

建物構造への負担を減らす効果がある

屋根の総重量が軽減されることは、建物全体にとって非常に大きなメリットをもたらします。
建物の構造部材(柱、梁、基礎など)は、屋根からの荷重を常に支えています。
屋根の重量が軽くなるということは、これらの構造部材にかかるпостоянный(常時)の負担が軽減されることを意味します。
さらに、地震発生時には、建物の重量が軽いほど、地震の揺れに対する応答(揺れ幅や加速度)が小さくなる傾向があるため、建物の耐震性能が相対的に向上します。
これにより、構造部材の損傷リスクを低減し、建物の安全性を高めるとともに、長期的な耐久性の向上にも貢献することが期待できます。

まとめ

縦桟ビス止め工法は、瓦を縦桟にビスで直接固定するという革新的なアプローチにより、地震時の瓦のズレや落下、強風による剥がれや飛散といったリスクを効果的に低減し、瓦屋根の耐震・耐風性能を飛躍的に向上させます。
さらに、土や漆喰の使用量を削減することで屋根全体の軽量化に貢献し、建物構造が受ける荷重や地震時の揺れを軽減することで、耐震性の向上や建物の長寿命化にも寄与します。
この工法は、瓦屋根の伝統的な美しさを保ちながら、現代の厳しい自然環境に対応するための、信頼性の高い選択肢と言えるでしょう。

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