雪を止めたい、という依頼を受けた時に、
どの程度雪止金具をつければよいか?
経験則で大体この程度、というのはあるのですが、
計算で出してみるとどうなるのかについて調べてみました。
完全に備忘録なので、数式&数字ばっかりです。
<参考にさせてもらいました>
(社)日本金属屋根協会 積雪荷重に関する考え方
⇒ www.kinzoku-yane.or.jp/technical/pdf/no254.pdf
積雪荷重の算出
①垂直積雪量(d) 福井市の大部分は2m以上。2mで設定する。
②積雪の単位荷重(ρ)福井県は30N/cm・㎡
③屋根形状係数(μb) 雪止がない場合は屋根勾配に合わせて低減。
雪止がなく、屋根勾配60°以上で積雪荷重0。
④レベル係数(X) 1.2とする
2mの雪が積もることはめったにないのですが、
(福井だと昭和56年の豪雪の時のレベルです)
建物が50年、100年と残ることを考えると、このくらいで計算をする必要がある。
サンドームも、雪を落とさない屋根にして、2m積雪で設計されているそう。
なるほど。
屋根形状係数は、雪止金具をつけるときには使わない。
一つ勉強になったのは、エクセルでsin,cosの計算をするときには、
角度はラジアンで入力する必要があるということ。
雪止金具の設置
②計算
積雪荷重S=d×ρ×X (N/㎡)
金具滑り耐力(T) N/個
屋根の流れ長さ(L) m
屋根の角度(β) β=Tan-1
金具の間隔(A) m
屋根材料の静止摩擦係数(μ) 0.05
垂直積雪量(d) 200cm
積雪の単位荷重(ρ) 30N
レベル係数(X) 1.2
金具の滑り耐力(T)は、商品ごとに最大荷重が出ているので
それの50%以下でみるそう。(安全率2倍)
金属横葺屋根の場合、先付けで700N,後付Wで2200~3200Nくらい(目安)
屋根の流れ長さに必要な雪止め金具の数(F)
F={(S×A×L)×(sinβ-μ×cosβ)}/T
ここで、
S=200×30×1.2=7200N/㎡
屋根の全長にかかる力をS’とすると、
金具ピッチ455mm、流れ長さL=5.7mの場合
S’=S×A×L=7200×0.455×5.7=18673N
とても厳しい状況として、10寸勾配のとき
sinβ=0.707、cosβ=0.707
(sinβ-μ×cosβ)=0.707-0.05×0.707=0.67165
F={(S×A×L)×(sinβ-μ×cosβ)}/T
=18673×0.67165 / T
Tは、後付雪止金具として3200Nとすると、
F=18673×0.67165 / 3200
=3.9
≒4段
流れ5.7mに4段設置すればいいことになる。
ここまで流れを残しておけば、いつでも計算できる
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福井県福井市の
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