「カラー鋼板の原板も、エスジーエル(SGL)に切り替わってくるそうですよ」
と、問屋さんから話を聞いた(株)吉光工業の吉田です。
福井や北陸の動きと、全国の動きは一致しない(地域性がある)のですが
高付加価値なめっき鋼板も、もう少ししたら、市場で普通に出回ってくるみたいですね。
メーカー製品でも、エスジーエル(SGL)に切り替わってくることで、少し値段が高くなるようです。
改めて、エスジーエルについてちょっとまとめてみました。
エスジーエル(JIS G3321)
マグネシウム添加55%アルミ・亜鉛合金めっき
ガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性がある、新しいめっき鋼板(日鉄住金鋼板製)
金属屋根の歴史
~日鉄住金鋼板SGLカタログより~
1872 鋼板製屋根が国内初採用(横浜駅、新橋駅)に採用されたといわれている。
1906 亜鉛めっき鋼板、国内初生産(官営八幡製鉄所)
1953 連続式亜鉛めっきライン、国内初稼動(八幡製鉄) 長尺が可能に。
1982 ガルバリウム鋼板、国内初生産(大同鋼板)
1996 次世代ガルバリウム鋼板の開発に着手
2001 マグネシウム添加ガルバリム鋼板の初トライアル
2010 豪ブルースコープスチール社との共同開発を開始
2013 エスジーエルの誕生
ということで、2016年度は、
金属の屋根が採用されてから、144年。
長尺金属屋根ができるようになってから、63年。
ガルバリウム鋼板が国内生産されてから、34年。
エスジーエルが誕生してから、3年。
ということになるようです。
余談ですが、屋根材としては、
国内の瓦製造の歴史が西暦588年以降(瓦Webより)だそうです。
エスジーエル(及び金属材一般)の注意点
1、3/100以下の緩勾配の場合、屋根のベコツキで水たまりが出来る可能性があります。
2、壁材と水切部材との水抜け用の隙間を確保してください。
3、コンクリートとの接触を避けてください。
4.異種金属との接触による電食にご注意。
SUS430では非常に早い電食、SUS304でも遅いながらも進行。
異種金属と接触させざるを得ない場合は、コーキング・ゴムシート等で絶縁を。
5、防蟻・防腐材処理した木材との接触に注意。電食。
6、異ロットの混合に注意。色が違います。
7、雨かかりしにくい場所へ注意。耐食性が向上していても白サビは発生します。
8、畜舎用途について。劣悪な環境のため、通気の工夫を。
結露防止・雰囲気との縁切りのため裏打ち材の推奨。
エスジーエルの保証
海岸500m以遠、穴あき25年保証。
より環境的に悪い場所(畜舎や海岸近く)では、ガルバリウム鋼板から置き換えが起こるでしょうし、
屋根のように厳しい環境には、少し単価が上がっても価値がありますね。
※色の保証ではないので、経年で色あせするのは変わりません。